LP出資とは、「Limited Partnership(有限責任事業組合)」への出資を意味します。
これは、1つの投資プロジェクトやビジネスに対して、複数の投資家(LP:Limited Partners、有限責任組合員)が資金を提供し、その運用を専門の運用会社や運用者(GP:General Partner、全額責任組合員)に委託する投資形態の一つです。
ユナイテッド社(2497)の投資実績を参考にする
ユナイテッド社(2497)はメルカリに出資していた企業として有名です。
ユナイテッドはメルカリ(4385)、ワンダープラネット(4199)、サイバー・バズ(7069)、ソーシャルワイヤー(3929)、コンフィデンス・インターワークス(7374)、エキサイトホールディングス(5571)などの上場企業投資をはじめとして、未上場株式、その他、今回のテーマとなるLP出資も行っていることがわかります。
またユナイテッド社は、LPとして36本の外部ファンド(下図参照)に出資していることがわかります。
LP出資の特徴
LP出資の特徴は、出資者(LP)の責任が出資額に限定される点です。
LP出資者は出資先の事業が失敗した場合でも、出資した額以上の責任を負うことはありません。
この点は後述するGPと大きく異なる点です。
GP(General Partner、全額責任組合員)
LPに対して、運用を担当するGPは、事業の成功に向けて経営や運用に深く関与し、事業が失敗した場合には無限の責任を負うことがあります。
LP出資は、ベンチャーキャピタルファンド、プライベートエクイティファンド、不動産投資ファンドなど、様々な分野で活用されています。
投資家にとってはリスクが限定される一方で、専門の運用者を通じて多様な投資機会にアクセスできるメリットがあります。
LP出資ができるのは適格投資家のみ
LP出資は投資業を行う法人や個人ではとても魅力的な場合が多いでしょう。
しかしながら、LP出資は誰でもできるわけではありません。
LP出資を行うには適格投資家である必要があります。
適格投資家(Qualified Institutional Investor、QII)とは、またその基準とは?
日本における適格投資家(Qualified Institutional Investor、QII)とは、金融商品取引法において特定の基準を満たす機関投資家を指します。
適格投資家は、一般の個人投資家とは異なり、高い専門知識や経験を持ち、高額の投資を行うことが期待される投資家です。
それでは日本の金融商品取引法における適格投資家の基準について見ていきましょう。
詳しくはこちら金融庁の(適格機関投資家の範囲と届出)を見ると確認することができます。
1. 適格投資家:金融機関
銀行、信託銀行、信用金庫、農協、信用組合、労働金庫などの金融機関は適格投資家になります。
2. 適格投資家:証券会社
証券会社や投資顧問業を行う会社、投資一任管理業者、ファンドマネジャーなどの証券会社は適格投資家になります。
3. 適格投資家:保険会社
生命保険会社、損害保険会社、相互会社などの保険会社についても適格投資家になります。
4. 適格投資家:一定の基準を超える個人・法人
有価証券の残高が10億円以上の個人や法人は適格投資家となります。