働き方の多様化により、会社を早期退職し、資産運用をしながら生活を送るFIREという生活様式が、注目されています。
20代の方から「資産運用」というと、どうやって運用していいか判らない、運用に回せる資金が少ないと敬遠する方も多くいるのが現状ではないでしょうか。
今回は20代の平均的な年収と、将来、FIRE生活を送るために20代からどのように貯蓄や投資を行って行けば良いのかをご紹介いたします。
20代から始める貯蓄と資産運用のポイントとは
将来に備えてお金を貯めたいと思っていても、20代で資産運用や投資をやってみようと思われる方はあまり多くないのではないでしょうか。
そのように積極的に資産運用を始めない理由として、ベースとなる収入が少なく資産運用に回すお金が無い、どこから始めたらいいか判らないという声が挙げられると思います。
では、20代での資産運用は難しいのか?と言うと、ポイントを押さえれば20代の人でも貯蓄・資産運用にチャレンジする事は可能です。
特に将来的にFIREスタイルの生活を検討している方は、早いうちから資産運用を経験してお金について学ぶ機会を作ることは無駄ではないでしょう。
では、20代で資産運用を始めたい場合はどのように始めればいいのか、貯蓄とのバランス、投資のコツなど見ていきましょう。
まずは20代の平均年収から見ていきます。
20代の平均年収は?
2021年、最新の調査によると20代の平均年収は下記テーブルのようになりました。
年齢 | 平均年収 | 男性 | 女性 |
20~24歳 | 267万円 | 284万円 | 249万円 |
25~29歳 | 370万円 | 404万円 | 326万円 |
各年代の平均年収の参考データとして、日本証券業協会が発表した平成30年度証券投資に関する全国調査(個人調査)のデータより、年収300万円以下の人の割合が20代前半男性で83.9%、20代後半男性で48.9%、20代前半女性は83%、20代後半女性は81.7%という結果でした。
こちらのデータはもちろん額面給与なので投資に回すことができるお金はさらに少ない手取り金額からとなるので、実際にはさらに厳しいのが現実でしょう。
では20代の人で貯蓄や投資している人の割合は、どれくらいなのでしょうか。
男女別20代の貯蓄と投資をしている人の割合は?
平成30年度証券投資に関する全国調査のデータより、20代で利用している金融商品の約9割は男女共に預貯金(銀行預金)です。
金融商品とは、銀行や信託会社などで扱う金融取引における商品の事をいい、預貯金以外では株式・投資信託などがあります。
金融商品は安全性や流動性、収益性の3点から判断され、すべての条件を満たす商品はありません。
20代の人が預貯金を選択する理由として、銀行に預けた金額が1000万円までは補償されるという安全性や、すぐに引き出せる流動性という点が考えられます。
また、収入が少ないため、生活資金の不足時にコンビニでも引き出せる現金預金が中心となるのは仕方がないことでしょう。
そのような側面からか、収益性の高い株式や投資信託などを選択している方の割合は3%~5%程度にとどまっています。
収入が少ない20代では、資産運用はリスクが大きいと思われがちですが、投資方法をしっかりと学びながら行えば、20代から投資はそれほど難しいものではないどころか、逆にメリットが多く、チェンスと言えるでしょう。
それでは、20代から投資を始めるとどのような点が良いのか見ていきましょう。
20代で投資をスタートする3つのメリット
20代で投資を始めるメリットは、何といっても時間を味方に出来る事で、大きく分けて3つのメリットがあげられます。
- 早いうちから投資の経験を積むことが出来ること
- 複利運用で利益を振らませることが出来る事
- 3つ目投資について勉強する時間が取れることです。
では20代から投資を始めるメリットについて、1つずつ見てきましょう。
1、早いうちから投資の経験を積むことが出来る
株式や投資信託などといった金融商品の価格は、常に上昇し続けている訳ではありません。
世界情勢や業績などに複数の要件により、上昇したり下降したりします。
特に株式や投資信託は、高い利益が見込まれる分、大きな損失が出ることもありますし、場合によっては、購入金額より金額が下回る元本割れになるリスクもあります。
相場の勉強をしつつ、早くから実際に購入し経験を積むことで、将来の資産運用の土台作りに役立ちます。
なぜか考える
早くから投資を経験(勉強)することをメリットにするためには一つ一つの価格上下の要因を考えることが必要です。
株式で考えると、IRが出たり、決算を分析したり、割安か割高かファンダメンタルズから判断したり、企業の成長性を自分なりに分析して将来の妥当な価値を把握するスキルなども経験を通じて獲得していく必要があるでしょう。
投資信託やETFを購入するなら、ベンチマークの理解や、投資商品の手数料や特徴などを知り、この商品はどのようなものなのか、理解した上で購入できるようになることはFIREを目指す上でとても重要でしょう。
2、複利運用で膨らむ利益
投資で出た収益をその都度受け取る方を単利、元本にプラスして投資に回す方法を福利といいます。
出た利益をさらに上乗せした金額を運用に回し、長期で運用することで、単利と比較して利益を見込めます。
複利運用は、長く運用した方が、利益が大きくなる傾向があります。20代から投資をスタートするのであれば、購入した金融商品を長く運用することが出来るので、長期運用により利益が膨らむことが、期待できるでしょう。
我慢するスキルも必要
福利効果を実際に得るためには、利益が出た時点で「あれを買いたい ・これを買いたい..」といった欲望に打ち勝って、再投資するメンタルを鍛えることも必要でしょう。
投資で得たお金で生活が十分にできるようになるまでは手をつけないなど、心のコントロールをしていきましょう。
福利効果を得るためには短期的に考えないことも大切
投資を実際にしてみると、一時的に価格が下降して含み損を出す場面があります。
しかし損失を出すことはたとえどんな投資のプロでも避けることはできませんが、長いスパンで見れば着実に価格は上昇傾向にあることがわかります。
有名なウォーレン・バフェット氏も短期的な取引ではなく長期スパンで投資を行うことで有名です。
例えばウォーレン・バフェット氏もおすすめするS&P500という米国の株価指数がありますが、こちらの価格の上昇を年単位で見てみると長期で運用することがとても大切なことがわかるでしょう。
無料で優秀なテーマCacoonをWordPress(ワードプレス)に適用する3、投資について勉強する時間が取れる
投資には常に経済の動きを見ながら、上手に運用していく必要があり、投資について勉強しておかなければなりません。
20代の人は体力もあり、学生の方や社会人でもまだまだ駆け出しの人が多く、30代、40代の人に比べれば比較的時間の取りやすい年代と言えます。
まだ年代的に身軽な方が多く、思い切ってハイリスクハイリターンの投資などにもチャレンジできるなど、資産運用の勉強が積極的に出来るメリットがあります。
お勉強代としてハイリスクな取引をしてみることも必要?
当サイトでは、FXのレベレッジをかけた取引のように、上がるか・下がるかのようなハイリスクな取引は基本的にはお勧めしません。
ただ、ハイリスクな取引というのは、リスクが大きい分・リターンも大きくなります。
ハイリスクでも様々な指標やデータを駆使しながら利益を出す方もいるかもしれません。
ハイリスクな商品で利益を出せる方は最速でFIREを達成するでしょう。
そういう意味では、「危ないからやらない」ではなく、若い間に積極的にリスクを伴う取引を、最大限の準備をしながらトライしてみるのも長い目でみるとマイナスではないでしょう。
年齢と家族が増えることにリスクは取れなくなってきます。若い間に生活に影響しない程度でハイリスクな取引にもチャレンジしてみましょう。
20代ならどんな金融商品を選択するのがベスト?
平成30年度証券投資に関する全国調査のデータより、金融商品の中で、預貯金の次に持っている人が多いのが「株式」です。
株は、事業資金を集めるため、会社が発行する株式を証券会社で通じて購入します。
株には上昇する事で得られる利益、配当金、株主優待などがあります。
投資初心者でも比較的分かりやすく、始めやすいでしょう。
その次に多いのが、投資信託です。投資信託とは、投資家から集めたお金をまとめて、運用のプロが株式や債券などに投資し、利益を投資家それぞれに分配する方法です。
投資信託は運用のプロに任せられる、少ない資金でも投資が出来る、投資先が分散されているので、リスクが比較的抑えられているという点から、20代の方でも選択しやすい投資方法です。
20代で投資を行う時のコツ
20代で投資をスタートするには、いくつかコツがあります。投資をこれから始めるという方も、すでに始めている方も一緒に見ていきましょう。
投資には忍耐が必要!目的を持って始めよう
資産運用のコツは、自分の目標とする上昇率や金額を決め、相場の一時着な乱高下に捕らわれない忍耐力を持つことです。
投資の目的は資産を増やす事ですが、必ずしも予定通りにはいくとは限りません。
投資する場合は、利益の額や率、運用期間あらかじめ決めておき、相場のアップダウンにながされない気持ちの強さが必要です。
分散投資を心掛けよう
上昇している投資先を見つけると、つい資金を集中して一気に利益を出したいという気持ちになる人もいらっしゃるのではないでしょうか。
20代では、投資に回せる資金も少ないため、資金を集中してしまうと、損をしたときのダメージが大きくなります。
生活資金を絶対に注ぎ込まない
投資にはリスクが伴います。
価格は絶対に下降する場面があり絶対に利益が出るものというわけではありません。
生活資金を無理に投資して、お金が足りなくなった時に口座から引き出すなど、無駄な取引を繰り返せば手数料や場合によっては振り込み手数料などがかかるので結局は損をしてしまう可能性があります。
余剰資金を用いた投資の場合はこのように生活資金の不足などで無駄に資金移動を繰り返す必要がなくなります。
欲張って無理な投資に手を出さないようにしましょう。
給与などの定期収入が入ったら、貯金や生活費などを差し引いて投資は余った予算で行うようにしましょう。
20代で投資をする際に失敗しがちなこと
投資初心者である20代が気をつけたい点についてご紹介していきます。
焦りから頻繁に売買してしまう
投資した金融商品が下がった、急激に伸びている投資先に乗り換えたいなど、資産運用をしていると、相場の値動きに取らわれがちです。
投資先の金額が下がっても、今後上がる可能性もありますし、急激に伸びてきた投資先が上げ止まりになる可能性もあります。
金融商品の売買には手数料が掛かってきます。
利益が出なければ手数料分利益がへることになりますので、売買をする際にはしっかりと見極めて行うようにしましょう。
知識がないまま資産運用をしてしまう
投資とは、これから事業展開していくことに対して資金を出すため、その事業に未来性があるのか、継続して見ていかなければなりません。
投資先の事業内容を常に確認し、自分の投資が未来につながるのか情報収集をし、知識を得る必要があります。
何となく話題性があるから、他の人が買っているから、ではなく自分なりに知識をつけ、運用するようにしましょう。
投資は将来に備えて運用する事を心がけよう
投資は、将来に備え資産を増やす事を目的としています。
資産に余裕がある人や勉強も兼ねて挑戦してみたい方は、思い切ってハイリスクハイリターンの投資をしてみるのも良い経験ですが、資産が少ない20代では、少額を長期に渡って運用する事が向いています
一度購入した投資は、5年10年先を見据えてじっくりと運用していくくらいの気持ちでいましょう。
将来FIRE生活を考えるなら、目標金額に向かいしっかり計画を立てよう
最近では、欧米諸国で話題となったFIREという経済的自立・早期リタイアの生活様式が日本でも注目を集めていますが、早期リタイアを行うには、最低でも5000万円ほどの予算が必要だと言われています。
もし40代でリタイアを検討するなら、20代からどのくらいを目標に資産を積み立てていけば良いのか、しっかりとした計画を立てるようにしましょう。
まとめ
FIREを実現のための20代の平均年収からみたや貯蓄、投資状況についてご紹介して参りました。
FIREを行うには、しっかりとした資産運用が大切になってくるため、20代から貯蓄や投資について知識や経験を持っておくことは、将来とても有利になります。
20代からの資産運用を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。