【財務会計】MBA流・初心者が財務諸表を読みこなせるようになるまで〜その5〜

前回の記事に続き「初心者が財務諸表を読みこなせるようになるまで〜その5〜」

前回の記事を読んでいない人はこちらから↓↓↓↓↓

www.sanuki-kozo.com

「経常的」かつ「本業」の項目

前回はPLを「本業か本業でないか」「経常的か特別か」の2つの軸から①「経常的」かつ「本業」②「経常的」かつ「本業でない」③「特別」の3つの領域に分割して、それぞれの特徴を見ていきました。
今回は前回に引き続き日清グループのPLの例を用いての「経常的」かつ「本業」の項目について見ていきましょう。(図1の赤色の領域)

【図1:PLの分割】
f:id:satsumaism:20181104151536p:plain

【図2:日清グループPL】
f:id:satsumaism:20181104150849p:plain

  • 売上高
    いわずと知れた売上高です。日清グループは、即席麺事業(日清食品明星食品)、低温事業、米州地域、中国地域と事業が別れていますが、売上高4,957億円のうち54%の2,692億円を即席麺事業で売上を構成していることから、また米州地域、中国地域においても即席麺の売上が多いことからも即席麺の会社ですね。それにしても麺の売上にしては恐るべし。このように会社の規模を見るときや会社の事業セグメント間で事業の規模を見るときに分かりやすい値です。

  • 売上原価
    売上にかかる製品の費用が売上原価に入ります。
    例えば即席麺を作る際の麺や容器の原材料、製造工場での工員の人件費などです。何が売上原価に入るかの計算は簿記2級の管理会計原価計算という分野で学習します。ここでは、売上と個別に対応するかどうかという基準で覚えておいてください。詳細は次回のブログで扱います。

  • 売上総利益
    粗利とも呼ばれる利益です。売上から売上原価を差し引いた利益であることから純粋に製品自体の利益ということになります。

  • 販管費
    正式には販売費および一般管理費と呼ばれます。
    製品を売るための広告宣伝費や販促のための費用、製造工程以外の社員の給与、賞与、減価償却費などが含まれます。売上と個別に対応する項目は売上原価に、そうでない項目は販管費に入ります。

  • 営業利益
    本業での利益水準を表す数値です。売上から売上原価および販管費を除いた利益になります。本業からの利益であるため企業の本業の実力を測るのに適しており分析などの対象ともなります。

次回予告

今回は「経常的」かつ「本業」の項目について見ていきました。
その中で何が売上原価の項目に入って何が販管費に入るのか曖昧な部分があったかと思います。次回は売上原価に入る判断軸について見ていきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です