前回の記事に続き「初心者が財務諸表を読みこなせるようになるまで〜その4〜」
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PLはブロックごとに分割する
前回は財務諸表の概要を見るためにPL、BS、CFがどのようなものかフローとストックの例を見ながら解説していきました。
今回は、その中でもPL(損益計算書)について見ていきたいと思います。
下記が実際のPLです。
【例:日清グループのPL】
実際の財務諸表はもっと細かく分類されていますが、分かりやすく重要な項目のみをpick upしてまとめてみました。
売上、売上原価と上から順にPLを眺めがちですが、それでは数字をただ単に追っただけで「読みこなす」ということには繋がりません。下まで眺めた後に気づきがなく終わってしまします。
重要なポイントはタイトルの通り「PLをブロックごとに分割」して見るということです。PLの赤、黄色、青で区切られた部分がブロックの分割の仕方です。
もう少し分かりやすく。
PLの分割方法
2つの軸からPLを分割します。
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本業か本業でないか(赤色領域 or 黄色領域)
本業か本業でないかは企業によるところではありますが、例えば日清グループでは即席麺やお菓子を作っている会社なのでこれが本業に当たります。また、何が本業でないかというと、投資による利息や銀行からの借入による利息の支払いなど金融取引による収益や費用を本業ではないものとみなします。具体的な項目については次回の記事で一つずつ丁寧に解説します。 -
経常的に発生するものか特別に発生したものか
経常的に企業活動をしていて毎期常に発生するものを経常的に発生する利益として、特別に発生するものを別枠で分割します。特別に発生するものとは何でしょうか。例えば、工場の災害による損失や企業が投資している株式の価値が下がった時に損失として計上します。これらは常に発生するものではなく、一時的に発生するので別枠で表示します。前回のブログで財務諸表は株主に対する経営成績のレポートと説明しましたが、株主は通常発生する利益を知りたく、特別な事象を除いたものを知りたいわけです。なのでこのような分割の仕方が一般的になりました。一方、混乱するようですが、アメリカでは特別に発生したなんてことはなく全て経営者の実力による管理だと見なされるので、特別利益特別損失という考え方ではなく、本業か本業でないかの分類が一般的です。こちらの項目も次回のブログで丁寧にみていきます。
【図1:PLを構成するマトリックス】
次回予告
今回のブログではPLの分割方法について見ていきましたが、次回はより詳細に「経常的」に発生する項目のうち「本業」で発生する項目について具体的に日清の例を交えながら説明していきたいと思います。
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