楽天証券は近年急成長を遂げたネット証券会社です。
成長の理由は手数料の安さや楽天ポイント投資、マネーブリッジなどの便利な入金システムにあります。
今回は、楽天証券のツールやメリット、注意点などについて徹底解説します。
楽天証券の概要
楽天証券は楽天グループに所属するネット証券会社です。使い勝手の良い取引ツールやリーズナブルな手数料設定、多彩な商品ラインナップなどにより楽天証券は急成長を遂げました。2021年段階で総合口座開設数は700万件以上、預かり資産残高は10兆円を突破しました。
楽天証券の取引ツール
楽天証券は公式HPが非常に見やすく使いやすいのですが、さらに詳しい情報を検索したり、マルチタスクで取引したりしたい場合や、スマートフォンで取引したい場合などに利用できる便利なツールが存在します。
「マーケットスピード」「マーケットスピードⅡ」
楽天証券の取引ツールは、公式HPとPC専用の取引ツールである「マーケットスピードⅡ」、スマートフォン用の取引ツールである「iSPEED」の3つです。マーケットスピードⅡは、国内株式や先物・オプション取引、アルゴ注文、PTS信用などに対応した取引ツールです。
アルゴ注文は、事前に登録した条件に合致するときのみ注文を成立させる機能です。この機能を使うことで仕事などが忙しく、取引が難しい人でも機会を逃さず売買できます。
米国株をメインとしたい場合、アルゴ注文には対応していませんが「マーケットスピード」で取引可能ですので、あわせてダウンロードすることをお勧めします。
iSPEED
iSPEEDはスマートフォンに対応した取引ツールです。最短で3つのステップで注文可能なため、ちょっとした空き時間に、いつでもどこでも注文可能です。 また、iPADに対応した「iSPEED for iPad」もありますので、大きな画面で取引したい人はこちらを利用してもよいでしょう。
楽天証券のおすすめポイント
手数料が安い
楽天証券の手数料は利用するコースによって決まります。ポイントをためながら取引したい人には「超割コース」、少額で1日に難度の取引したい人には「いちにち定額コース」がおすすめです。
超割コースの場合、取引手数料は55円からと格安で、手数料の1%が楽天ポイントでポイント
バックされます。いちにち定額コースの場合、1日の約定代金合計が100万円までなら取引手数料は無料です。 低位株取引やデイトレードやスキャルピングといった小刻みな売買を繰り返す人にとって、楽天証券の手数料は非常に魅力的です
楽天ポイントを投資で使える
楽天証券では、楽天ポイント投資をすることができます。楽天ポイント投資とは、楽天グループでの買い物や楽天カードの利用などで付与される楽天ポイントを使って投資信託や国内株式、バイナリーオプションを購入する投資スタイルのことです。
現金をつかわずにできる投資なので、投資の初心者におすすめです。また、ポイント投資を利用すると、楽天市場での買い物がポイント+1倍なります。楽天市場などでの買い物が多い人にとっては非常に助かる仕組みです。
マネーブリッジで楽天銀行金利がアップする
マネーブリッジとは、楽天銀行口座と楽天証券口座を連携させるサービスのことです。
マネーブリッジのメリットは3つあります。
- 銀行普通預金の金利が5倍になる
- 楽天証券口座との「自動入出金サービス」が利用できる
- 楽天ポイントがもらえる
楽天銀行の普通預金金利は2021年12月段階で年0.02%です。この段階で、大手銀行(みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・りそな銀行)の年0.001の20倍ですが、マネーブリッジを利用すると金利が年0.10%と5倍に跳ね上がります。
「自動入出金(スイープ)サービス」とは、楽天証券での注文時に不足分を楽天銀行の預金口座から自動的に補ってくれる仕組みです。
証券口座にある現金は営業日の夜ごとに楽天銀行に自動で出勤されます。これにより、高い普通預金金利を自動的に得られるようにしています。 楽天銀行のサービスの一つであるハッピープログラムにエントリーしていると、楽天証券での取引で楽天ポイントがたまりやすくなります。
多くの金融商品を取り扱っている
楽天証券では金融商品の豊富なラインナップを用意しています。主な金融商品は次の通りです。
- 国内株式
- 海外株式・海外ETF
- 投資信託
- 楽ラップ
- 債券
- 楽天FX
- 金・プラチナ
国内株式では現物株式や手元資金以上の取引を行う信用取引、不動産投資信託であるREIT(リート)、ETF(株式市場で売買できる投資信託)、非上場企業が株式市場で新規に公開する新規公開株式(IPO)などを売買できます。
海外株式では話題の米国株式をはじめ、中国やアセアン諸国の株式、海外ETFへの投資が可能です。
また、ネット証券屈指の取り扱い本数を誇る投資信託やロボアドバイザーに取引をゆだねる楽ラップ、国内・海外の債券、FX、金・プラチナへの投資など話題性の高い金融商品も扱っています。
楽天証券の注意点
証券会社として異例の急成長を遂げた楽天証券ですが、弱点もあります。ここでは、3つの注意点についてまとめます。
対面での相談ができない
ネット証券で最大の注意点は対面での相談ができないことです。一人一人の顧客に対して担当者のつくことが多い店舗型証券と違い、楽天を含むネット証券では基本的に担当者がつきません。そのため、投資方針に不安がある場合の相談相手がいません。また、顔を突き合わせての対面でのバックアップがありません。
投資に使えるのは通常ポイントのみ
楽天ポイントは事実上、期限がない「通常ポイント」と、利用期限がある「期間限定ポイント」があります。このうち、楽天ポイント投資で利用できるのは「通常ポイント」のみです。
楽天グループのサービスであるSPU(スーパーポイントアップ)で得られるのは原則、期間限定ポイントですので、たまりやすい期間限定ポイントが投資に利用できないともいえます。
単元未満株(ミニ株)は購入できない
ミニ株(単元未満株)とは、銘柄ごとに決まっている最低売買単位(単元)に満たない株式のことです。1単元が100株の株式では、100株に満たない株式を単元未満株(ミニ株)といいます。 たとえば、2021年12月23日の楽天グループの株価は1,124円でした。楽天グループの1単元は100株です。したがって、購入する際は1,124円×100株=112,400円が必要となります。そうなると、どうしてもまとまった資金が必要となります。
しかし、単元未満株であれば、楽天グループの株式を1株1,124円から購入可能です。必要な資金が少なければ少ないほど、初心者が参入しやすくなりますが、楽天証券では単元未満株を扱っていないため、ある程度の資金が必要となります。
ただし、米国株については単元株という考え方がないため、楽天証券でも1株から購入できます。
まとめ
今回は、楽天証券の魅力について紹介しました。楽天証券はツールが使いやすくて手数料が安く、マネーブリッジの利用で高い普通預金金利やスムーズな資金移動ができるというメリットを持った証券会社でした。
その反面、対面相談ができないことや投資に使える楽天ポイントが通常ポイントに限られ、単元未満株が購入できない点などに注意しなければなりません。
とはいえ、楽天証券は初心者から見て非常に使いやすいのは確かです。今回は照会できませんでしたが、楽天証券ではNISAも取り扱っていますので、そちらで利用してもよいでしょう。投資に興味を持った方は、ぜひ楽天証券での口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。