新興国ETFとは?「新興国」の2つの定義の紹介と、おすすめETFを紹介します!

新興国ETF

新興国ってどの国を指すの?


新興国(エマージング諸国)とは、世界中で経済・政治が発展途上にある国や地域の事を指します

新興国の定義

前提として新興国にはIMF(国際通貨基金)が定義するものとMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が提唱するもの2つがあります。投資する際にはどちらの定義に沿って商品が作られているか把握すると良いでしょう。

IMFが定義する新興国

IMFが定義する新興国は「国民1人当たりの所得水準」「輸出品目の多様性」「グローバル金融システムへの統合度合い」の3つによって定義されます。

MSCIの新興国の定義

MSCIが定義する新興国は「国民1人当たりのGDP」「外国人に対する投資規制の有無」「市場環境の整備状況」「為替回送金制限の有無」によって定義されます。

新興国の様々な略称

馴染みのあるBRICSやASEAN以外にも色々な略称があります。

まずはこの略称を紹介します。

BRICS

BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字を合わせた5か国の事を指します。

BRICSは広い国土、多くの人口、豊かな天然資源を強みに大きく成長する可能性があることで注目されています。

ASEAN (東南アジア諸国連合)

ASEAN(東南アジア諸国連合)はインドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの10カ国を指します

ASEANは国内の交通・通信・エネルギー等のインフラへの投資が続く市場で、さらに特別経済区などが政府主導で計画されているなど、大きなビジネスチャンスがあることが特徴です。

MENA(ミーナ)

MENAとは、Middle East & North Africaの略で、中東・北アフリカ地域の国々を指す略称です。

サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、オマーン、カタール、バーレーン、トルコ、イスラエル、ヨルダン、エジプト、モロッコの11カ国を指します。


サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)やクウェートなど産油国を中心とした地域でオイルマネーと安価な労働力を背景に成長が期待できる地域です。宗教や地政学上のリスクがある地域である点も特徴です。

ネクスト11

米国の投資銀行、ゴールドマン・サックス社が提唱しているBRICSに続いて成長できるとされる新興国の総称です。

ベトナム、韓国、インドネシア、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、イラン、エジプト、トルコ、ナイジェリア、メキシコの11か国を指します。

運営者
運営者

米国・日本・欧米諸国などは先進国と言われているね。

ここまで長くなりました、新興国には二つの定義が存在していて、その中でも様々な略称があることを紹介しました。次は新興国ETFについて紹介していきます。

新興国ETFとは?

新興国ETFとはこれらの新興国に投資する上場投資信託(ETF)です。

もしETFがわからない場合は以前の記事で簡単に解説しているので見てみてくださいね。

ETF 【5分で解説】ETFって何ですか?

投資商品としての特徴①〜成長が見込め長期的にリターンが期待できる〜

人口が多いことや豊富な資源、インフラ等の継続的な投資で市場としてのポテンシャルが高く、今後の成長が期待できることから、投資することによってリターンを得ることが期待できます。

投資商品としての特徴②〜下落リスクや流動性リスクが高い〜

日本やアメリカなどを対象とした先進国ETFと比べ、地政学・政治的なリスクが高いことから急激な下落リスクや流動性リスクが高い傾向にあります。

運営者
運営者

流動性リスクというのは、取引量が少ないことによって、売りたいときに売れないことや、買いたい時に買えないなど、取引に柔軟性がないことを意味するよ。

新興国おすすめETF

バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF 

バンガードFTSEエマージング・マーケッツETF(Vanguard FTSE Emerging Markets ETF) はニューヨーク証券取引所に情報しているETFです。(ドル建て商品になるので為替には注意です)

FTSEエマージング・マーケッツ・インデックスに連動する投資成果を目指す商品でブラジル、ロシア、インド、台湾、中国、南アフリカなど、世界中の新興国市場で大型・中型株を保有しています。

さらに詳しく

バンガードFTSEエマージング・マーケッツETFが投資している国の割合です(2021年10月31日時点)。

BRICSでも特に中国、インド、ブラジル、南アフリカに比率が偏っていますが、新興国全体的に投資していることがわかります。

比率
中国36.9%
台湾18.2%
インド15.2%
ブラジル4.8%
南アフリカ3.7%
サウジアラビア3.6%
ロシア3.5%
タイ2.5%
メキシコ2.2%
マレーシア2.0%
インドネシア1.6%
アラブ首長国連邦0.9%
フィリピン0.9%
カタール0.9%
クウェート0.7%
チリ0.5%
トルコ0.5%
ギリシャ0.3%
コロンビア0.2%
ハンガリー0.3%
チェコ0.1%
エジプト0.1%
バーレーン0.1%
その他0.1%
パキスタン0.1%
ルーマニア0.1%

組み入れ銘柄数入

組み入れ銘柄数は5250銘柄と、とても多くの銘柄に分散投資してくれているのがわかります。

組み入れ銘柄上位10社

Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.(台湾積体電路製造)台湾の半導体製造会社。
世界の半導体受託生産の5割超を占める世界最大の半導体製造会社
6.40%
Tencent Holdings Ltd.(テンセント)中国のインターネット会社4.50%
Alibaba Group Holding Ltd.(アリババ)中国の情報技術産業を行う持株会社。世界でも有数の電子商取引のオンライン・マーケット を運営。日本のソフトバンクのような会社。3.60%
Meituan(美団)中国の生活関連サービス企業。
電子商取引プラットフォームである美団と中国最大の口コミサイトである大衆点評を運営。
1.60%
Reliance Industries Ltd.(リライアンス・インダストリーズ)インドの石油化学を中心に、石油・ガス開発、小売、インフラ、バイオテクノロジーなどの事業を手がけるコングロマリット。1.40%
Infosys Ltd.(インフォシス リミテッド)インドの世界有数のITコンサルティング・ビジネスコンサルティング・テクノロジー・エンジニアリング・アウトソーシング・ソフトウェア開発企業1.00%
Housing Development Finance Corp. Ltd.(HDFC)インドの非銀行系金融会社。
住宅不足の解消と住宅保有率向上を目的に設立された会社。
主な事業は住宅ローンの貸し出し。
0.80%
China Construction Bank Corp.(中国建設銀行)中国建設銀行は、中華人民共和国の国有商業銀行の1つ。
中国銀行、中国工商銀行、中国農業銀行と共に中国の四大商業銀行とされる。
0.80%
Gazprom PJSC(ガスプロム)ロシアで天然ガスの生産・供給において世界最大の企業。
ロシア政府が50.23%の株式を保有している。 天然ガスの生産高は全世界の23%に相当。
0.60%
Sberbank of Russia PJSC(ロシア貯蓄銀行)ロシア最大の商業銀行0.60%
組入銘柄上位10社

組み入れ銘柄トップ10には、テンセントやアリババ、その他、台湾、インド、ロシアの世界でも有数の企業が組み入れられていますね。このように、新興国の中でも優秀な企業を中心として5250銘柄への投資が行わています。

信託報酬

信託報酬は0.10%と同様の銘柄の平均が1.22%に比較して安い。

その他の新興国ETF銘柄

当サイトではバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETFをおすすめの新興国ETFとして紹介をしましたが、新興国ETFにはさらにたくさんの銘柄があるので当サイトでも紹介をいたします。

上場新興国債券 (1566) (国内株式)
上場海外新興国 (1681)(国内株式)
ISMSCI新興国株 (1658) (国内株式)
iシェアーズ コア MSCI エマージング・マーケット ETF(米国株式)
グローバルX 新興国債券 ETF(米国株式)
Direxion デイリー 新興国株 ブル3倍 ETF  (米国株式)
iシェアーズ・MSCI エマージング・アジアETF   (中国株式)
新興国ETF

新興国系のETF商品を探す際には、「エマージング」や「新興国株」のようなワードを使いながら検索してみましょう。

まとめ

新興国の定義にはIMFの定義とMSCIの2つがあることに加えて、新興国ETFの特徴とおすすめ銘柄を紹介しました。

新興国ETFへの投資はリターンが魅力的な反面、政治的・地政学的リスクも伴っており、投資には注意が必要ですが、うまく投資できれば大きなリターンを得られるものです。

この記事が新興国ETFへの投資の参考になれば幸いです。

覧いただきありがとうございましたた。

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